OITA: Oika's Information Technological Activities

@oika 情報技術的活動日誌。

CLR/H 第94回「Meets IT and AED」に参加

CLR/H様の第94回勉強会に参加。

今回はWindows女子部様との共同開催で、テーマは「Meets IT and AED」。
AED(http://www.jhf.or.jp/aed/)をIT的視点で見直そうの会。
気づきの多い有意義なイベントでした。

clrh94

講師はAEDオープンデータプラットフォームおよびAED検索アプリ開発者の初音玲さんと、
日本赤十字社インストラクターのちこたんさん。

初音さんパートは、AED利用に関する現状の問題点を理解し、
ITの視点からその解決を考えようというのが主題。

年間の心肺停止者73023人のうち、目撃者ありのケースが23797人、
そのうち、目撃者によってAEDが使用されたケースは3.7%しかないという。
心肺停止者全体でいえば、たった1.2%だ。

AEDの使用によって、退院率が30~40%上がるらしい。
じゃあこの利用率をどうすれば上げられるでしょう?
というのがディスカッションのテーマになった。

初音さん自身は、その答えとして「AEDオープンデータプラットフォーム」を作り、
本当に恐れ入るが、全国の自治体に問い合わせをしながら
こつこつとその設置情報登録数を増やしていっている。
しかし現在の設置AED管理というのは本当にずさんなものらしく、
なかなか作業が難航している部分もあるようだ。

悲しいことに、現在の札幌市内の情報登録件数は、3,4件しかない…。
AED設置情報提供のお願いが以下ページにあるので、ぜひ読んでいただきたい。

AEDオープンデータプラットフォーム

そのほか、AEDのUI/UXは非常に洗練されているという話、
使用する勇気を奮い起こすUXという考え方についての話があり、
なるほどUXって結局そういうことだよなという、
非常に大事なことを聞けた気がする。

ちこたんさんパートでは、CPR(心肺蘇生法)とAED利用の体験と、
最新の標準CPRがどのように変わってきているかという話も聞くことができた。

いろいろ自分の中のだいぶ古い知識をアップデートすることができて
かなり有益だった。

特に、 AEDは「迷ったらとりあえず使っとけ」 ということを学べたのが大きい。
AEDは思っていたよりずっと簡単に使えて、
かつ(なんとなく取扱い注意なイメージがあったけど)かなり安全設計で、
そして優秀だった。
電源を入れれば指示は音声で流れるし、身体にパッドを貼ってプラグを指せば
心電を調べて電気ショックが必要かどうかを自動的に判断してくれる。
いちいちすげーすげーと思いながらいろいろ学ぶことができた。

今回のように、「IT」というとっかかりがなければ
なかなかAEDについて学ぼうという気になることもなかっただろう。
実にありがたいイベントでした。